活動は下記をご覧ください


NPO法立法過程記録の編纂・公開プロジェクト

市民自治ノート-NPOまちぽっとから

ソーシャルジャスティス基金

草の根市民基金・ぐらん

新宿市民ファンドネットワーク企画

もうひとつの住まい方推進協議会

過去のプロジェクトはこちら

明日へ基金

仕事の依頼はこちらから

HOME  >  トップ  >  タイズ財団CEO ドラモント・パイク氏講演会(2009.5.29)

タイズ財団CEO ドラモント・パイク氏講演会(2009.5.29)

企画目的

アドボカシー活動に対する資金援助に弱点を持つといわれる、日本の市民社会セクターを変えるためには何が必要なのか、その解決のためのヒントを得ることを目的として行われました。

タイズ財団

アメリカの代表的社会変革財団。年間助成額が2008年には1億0800万ドル(約100億円)以上にのぼると同時に、一般的な公益的NPO助成ではなく、positive social changeという明確な目的を持って助成を行っていることが特徴。パイク氏は、この財団の創設者であり、現在もCEOを務める。
→ TIDES(英語)

※講演会の内容の一部を紹介いたします。

1.アメリカにおけるNPOセクターの位置付けについて

タイズ財団ラウンドテーブル写真01

歴史的・社会的背景

アメリカのNPOは、経済的にも重要な位置を占め、全経済活動の3~5%程度を占めているが、これには歴史的な理由がある。1600年代の入植当時、政府はまだなく社会的なサービスは人々が自ら行っていた。これがNPOの始まりだ。政府が成立した後もNPOセクターは保持され税控除などの特別措置を獲得してきた。また、移民が多く多様性の強いアメリカ社会では、その多様性に応じたサービスを提供することにNPOの存在意義を見出す人も多い。

NPOの2つの役割

アメリカのNPOには、2つの重要な役割があると考えている。ひとつは、これまで解決策のなかった社会的課題に対して創造的な解決策を提供すること。もうひとつは、社会から阻害された人々の声を社会全体に伝えていくということである。タイズでは初期の段階から、社会変化、社会的正義を達成するためのアドボカシー支援を重要な役割として考えてきた。

2.タイズの目的と事業概要

タイズ財団ラウンドテーブル写真02

タイズが目指すのは、社会的正義、経済機会の幅広い共有、たくましい民主的なプロセス、持続可能な環境だ。タイズでは中間支援組織として大きく3つの事業を行っている。

フィランソロフィー事業

すべての活動の半分以上を占めているのは資金提供をする活動だ。小口の寄付金を集めるほか、「ドナー助言基金」といって助成の際のマネジメントや法的アドバイスなどの支援も行う。

活動支援事業

NPOにバックオフィス機能を提供している。タイズセンターの傘下にプロジェクトを抱え、財政管理、人材育成などをサポートし、直ちにアイデアを実行に移せるような体制を作った。

不動産事業

NPOに安く活動拠点を提供している。NPO活動の初期には、人件費に次いで多い財政支出は賃貸料だ。ニューヨークとサンフランシスコにセンターを作り、これまでに何十という団体がここを活用してきた。その他にも「MOMENTUM09」という議論を行うプログラムや、ここ15~20年増える傾向にある営利セクターと協働するプロジェクトなどもある。

3.組織として重要なこと

タイズ財団ラウンドテーブル写真03

最も重要なのは自分たちで財源を確保することだ。私たちはリソースと活動を結びつけるための支援をしているが、その際にはNPOの活動の負担にならない程度の料金を受け取りサービスを提供している。また、きちんとした会計処理を行うことも重要だ。税金を納めていなかったり、会計上のミスが多いようでは、助成先からもNPO側からも信用されなくなる。

そして、支援を行う際に気をつけるべきこともいくつかある。最初に支援の限界をはっきり示すこと、そして支援を行うNPOに対してはコントロールではなくエンパワーリングすることに力点を置くべきだ。彼らが独立することを目標に教育や訓練を提供している。

※講演会に続く質疑では、支援の具体例やその段階的なサポート方法の紹介、革新系の団体としての立場や企業との関係などについてご説明いただきました。一部を抜粋して以下にご紹介します。

質疑応答

タイズ財団ラウンドテーブル写真04

Q. タイズと営利企業との関りについて教えてほしい。

A.

支援組織としての営利企業とのかかわりは、まず助成金を企業が出す際に生じている。助成には複雑な作業が伴い、そのノウハウは営利企業にはない。一方で、それはタイズの得意な分野なのでそのお手伝いを行っている。

また、私たちは証券会社を所有していて、年金基金のような大きな規模のお金を動かしている。きっかけは、ある人が株の投資で得た大きな利益の一部を社会的に活用しようと考えたことだ。彼は儲けを社会に還元する新しい証券会社を考え、その会社の株をタイズに所有して欲しいといってきた。株の30%をタイズが、20%を他の財団が保有し、残り50%を彼とそのスタッフが保有している。結果として純利益の30%をタイズが受けとることになり、設立3年目の昨年度は100万ドル以上を得た。そのお金は、会社の設立者の希望で教育関係の助成に活用している。このような非営利事業で株式を保有するという手法は、大変珍しく革新的なものだ。

タイズ財団ラウンドテーブル写真05

Q. 寄付者はどのようにタイズを、またはタイズはどのように寄付者を見つけるのか。

A.

大きくなった現在では広報活動も行っているが、最も良い方法は口コミと紹介、またはタイズのスタッフが会いに行って話しをするしたりとしたりと、人間関係が中心。地域にあるコミュニティ財団の場合は、税金関連の弁護士や税理士などが、節税や社会貢献の手法として紹介するケースが多いが、タイズの場合ははっきりとした「社会正義目的」を掲げているので、その理念を理解し、分かち合える人々と一緒に活動している。

Q. アドボカシーのための寄付者助言型の基金で、1億ドルを毎年助成できる規模まで持ってきた成功の秘訣は何か。

A.

この20年間、寄付者助言型基金というメカニズムが、人々に非常に受けたということがある。名前を出さずに寄付ができるということは、一部の人にとっては非常に重要なことだ。また、寄付がいくつかの分野のチャリティに行くということも理由の一つだろう。そして、他の民間財団に比べて、財団の運営自体にそれほど費用がかかっていない、つまり寄付のかなりの部分が実際のNPO側に行くということがある。それから、個人、会社、グループ等の寄付を集めて、単一の問題解決のために使うというシステムもある。ゲイツやフォード財団のような巨大な財団がお金をたくさん出してくれる一方で、タイズはお金をそれほど出さないが、それらのお金を有効に活かして使うための支援をするという特徴があるだろう。

Q. 講演の中ででてきた5つの段階的な発展(*注)の中で、どのステージを支援することが最も需要だと考えるか。また、その際にはどこの部分へ助成することが有効か。

A.

私は、第1段階への支援が最も重要だと思っている。新しいアイデアやイニシアチブを支援することは重要である。ただし、一番お金が必要なのは第2段階だろう。そのため第1段階と第2段階への支援が最も重要であり、それが後々の違いを作り出していくと思う。しかし、扱う問題によって、各段階の重要性も変化する。また、気に入った団体をどのように支援するのかという方向と、取り組みたい問題が先にありその問題を分析して、どのように動けば社会が変るのかといという方向の、考え方による違いもあるだろう。

*注:「NPOの5つの段階的発展」 ― (1)新しいアイデアを持ち、いろいろな調査と模索を行う時期、(2)コンセプトの可否の証明、(3)その活動の展開期、(4)長期的な展望を描く時期、(5)順調に事業が可能な段階として独立する

タイズ財団ラウンドテーブル写真06

Q. タイズの的確な支援による評判が、巨額のお金を呼び込んでいるようにみえる。単なる資金の提供ではなく、その先の支援プログラムの重要性について聞きたい。

A.

あるケースで説明すると、プロジェクトを始めようとした人物に、最初の段階では事務所を提供し、さらに当初のアイデアを発展させていくための手伝い(情報提供など)を行った。その後、彼が大小さまざまな民間財団へ出かけていったところ、彼らは喜んで助成をしてくれた。それは、タイズのスタッフが経理や運営がのマネジメントをサポートしているという信頼があったからだ。

このように、新しいアイデアを持っている人がいたら、それをタイズのプロジェクトとして受け入れ、手伝うという形はタイズ設立初期の段階から行ってきた。現在のタイズは、6つの別の機能を持つ団体から構成され、それら全部でタイズ・エンタープライズという一つの傘の中に入って総合的な活動を行っている。

タイズ財団ラウンドテーブル写真07

Q. タイズは、革新系という基本的スタンスを示して、その原理原則をはっきりさせながら活動をしている。原理原則が違う立場の反対派から攻撃を受けることはないのか?

A.

何度も攻撃されいる。例えばグーグルで「タイズ」と検索すれば、非難や中傷は山ほど出てくる。事実と事実でないことが、悪意をもってミックスされていることも多い。それらについては、きりがないのでいちいち対処してはいない。

認定特定非営利活動法人 まちぽっと
160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル501
TEL:03-5941-7948 FAX:03-3200-9250