論文紹介:「所有者不明土地問題」対策・元年-所有者不明土地に関わる民事法制
伊藤久雄(NPO法人まちぽっと理事)
ここで紹介する論文は以下の雑誌に掲載されたものである。
〇 月刊自治研(編集:自治研中央推進委員会) 2023年3月号
〇 著者:足立清人さん(北星学園大学経済学部教授)
「所有者不明土地問題」は、本論文の冒頭で触れているように、東日本大震災からの復興(用地取得)の過程で問題が顕在化したものである。私(伊藤)も、たびたび課題として取り上げてきたが、本論文は問題の所在や対策を整理し、提起していると考え、紹介するものである。
東京においても南海トラフ地震や首都直下型地震が取りざたされ、また近年の豪雨災害の頻発もあって、東京都や都内市区町村も身近な問題として取り組まなければならない課題となっている。特に東京は江戸川、荒川、多摩川などの大河川やその支流、いわゆる都市河川が縦横に走り、「所有者不明土地」問題だけでなく、境界未確定土地も膨大に存在する。
今回の民法等一部改正などの法制整備を機に、「地籍調査」などの懸案に対する取り組みの強化に取り組むべきである。本論文は以下のように構成されている。
1 「所有者不明土地」とは
2 所有者不明土地問題に関わる土地法制
3 民法等の一部を改正する法律
(1) 相隣関係に関する規定の見直し
(2) 共有に関する規定の見直し
(3) 新たな財産管理制度の創設
(4) 相続に関する規定の見直し
(5) 不動産登記法の改正-相続登記に関する規定の見直し
(6) 相続土地国庫帰属制度の創設
4 「所有者不明土地問題」対策の号砲と今後の課題
紹介論文:「所有者不明土地問題」対策・元年-所有者不明土地に関わる民事法制
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