日経【社説】「水膨れ予算要求に規律を強くきかせよ」を読む
伊藤久雄(NPO法人まちぽっと理事)
財務省は9月5日、2024年度予算編成に向けた各省庁の概算要求をまとめ、発表した。概算要求・要望額一覧表の下段・注意書きには次のように記されている(参考資料、令和6年度一般会計概算要求・要望額参照)。
前年度予算額には、上記のほか、防衛力強化資金への繰入れ33,806億円、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費40,000億円並びにウクライナ情勢経済緊急対応予備費10,000億円がある。令和6年度概算要求における防衛力強化資金への繰入れ、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費並びにウクライナ情勢経済緊急対応予備費については、「令和6年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(令和5年7月25日閣議了解)」に基づき、事項要求となっている。
すなわち、概算要求・要望額(要望額とは「重要政策推進枠」に係る特別枠である)は114兆円を超え過去最大規模となっているが、上記後段のように、防衛力強化資金への繰入れ、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費並びにウクライナ情勢経済緊急対応予備費については金額を明示しない「事項要求」となっている。
そこでまず、日経「社説」を紹介し、事項要求と重要政策推進枠について財政規律の観点から問題点を指摘しておきたい。
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