「世界一安全・安心で強靭な都市」は可能か
-2024年度東京都予算案を読む
伊藤久雄(NPO法人まちぽっと理事)
東京都は1月26日、2024年度東京都予算案(概要)を発表した。一般会計総額8兆4530億円と、前年度に引き続き8兆円を超え、過去最高となった(ただし、2023年度最終補正は8兆8520億円と9兆円に迫る)。
この東京都予算案については、さまざまな見方ができると思うが、元日の能登半島地震を踏まえ、都の主要事業の1つである「世界一安全・安心で強靭な都市」について、果たしてその実現は可能かどうか、検討を加えることにしたい。「世界一安全・安心で強靭な都市」は次の2つの事業から成っている。
〇 TOKYO強靭化プロジェクトの推進-大地震、風水害、火山噴火などの脅威に対する対策
〇 安全・安心なくらい-救急体制、医療提供体制の強化・確保
本稿では、主にTOKYO強靭化プロジェクトについて、具体的な施策に立ち入って検討したいと思う。あえていうなら、私は「東京は世界一脆弱な都市」だと考えているので、かなり私見が入るが、お許しいただきたいと思う。