非常時地下水利用指針(案)を読む
伊籐久雄(NPO法人まちぽっとスタッフ)
本書、非常時地下水利用指針(案)は、大阪公立大学大学院 現代システム科学研究科 遠藤 崇浩教授らの研究グループが、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」(研究推進法人:国立研究開発法人防災科学技術研究所)を活用した研究成果の一部として作成されたものである。
本書は2023 年 3 月に発行されていたものであるが、私(伊藤)はつい最近その存在を知ったばかりである。しかし本書の意義は、本書の刊行に尽力された遠藤崇浩大阪公立大学教授が以下のように述べるとおりである。
地下水を用いた緊急の給水活動は自治体あるいは地元住民だけで解決できる問題ではなく、様々な関係者が関与する点で、非常時の地下水ガバナンスと称すべき課題です。より広い見地に立てば、応急給水は減災に向けた官民の連携であり、それ自体防災ガバナンスとしての側面を併せ持ちます。従って災害用井戸は地下水ガバナンスと防災ガバナンスとの交差部分に位置するテーマといえるでしょう。
今年の年初の能登半島地震でも、被災地では今も断水が続いている地域があるように、水の供給が災害時の重要な課題の1つである。ホームページで公開されているので、関心のある方はぜひ読んで頂きたいと思う。
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